路(ルウ)
著者:吉田修一 出版社:文春文庫
ブックフェア「台湾を知ろう!」の1冊。
1999年、台湾に日本の新幹線が走ることになり、入社4年目の商社員、多田春香は現地への出向が決まった。春香には忘れられない思い出があった。台湾を旅した学生時代、よく知らないまま一日を一緒に過ごした青年がいた。連絡先をなくし、それ以後ずっと会えないままだった……。
台湾と日本の仕事のやり方の違いに翻弄される日本人商社員、車輛工場の建設をグアバ畑の中から眺めていた台湾人学生、台湾で生まれ育ち終戦後に日本に帰ってきた日本人老人、そして日本に留学し建築士として日本で働く台湾人青年。それぞれをめぐる深いドラマがあり、それらが台湾新幹線の着工から開業までの大きなプロジェクトに絡んでいきます。政治では問題を抱えていても、日本と台湾の間にしっかりと育まれた個人の絆を、台湾の風土とともに色鮮やかに描く作品。大ヒット映画「国宝」の原作者として、さらに注目が高まっている吉田修一さんの渾身の力作です。
2026.1.19
サキの忘れ物
著者:津村記久子 出版社:新潮社
自分には何にも夢中になれるものがない――。高校をやめて病院併設の喫茶店でアルバイト中の千春は、常連の女性が置き忘れた本を手にする。「サキ」という外国人の男性が書いた短篇集。これまでに一度も本を読み通したことがない千春だったが、その日からゆっくりと人生が動き始める。深く心に染み入る表題作から、謎めいた旅行案内、読者が主役のゲームブックまで、かがやきに満ちた全九編。
2026.1.17
入門講義 アニミズム
著者:奥野克巳 出版社:平凡社
人間だけが地球の主人ではない──。ベストセラー『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』で知られる大人気の人類学者が、動物や川、モノにも〈いのち〉や意思を見いだす人類に通底する世界観=アニミズムを、豊富な図版とともに、深くわかりやすく語る。アイヌの伝統的な儀礼、マリオ/ポケモン/ジブリ、AI、さらにボルネオの狩猟採集民まで、事例も多数解説。分断と不平等の時代を救う「古くて新しい」思考法を、現在形に再起動。
2026.1.15
あやとりの記
著者:石牟礼道子 出版社:河出書房新社
山と海のはざまに暮らす幼子みっちんは、盲目の祖母「おもかさま」、“挨拶のよい”大男の孤児「ヒロム兄やん」、いつも懐に犬を入れた「犬の仔せっちゃん」ら、人の世の片隅で生きるものたちに導かれ、にぎやかな土地の霊と交わってゆく。しいたげられがちな人こそが「よか魂」をもち、魂のよい人間ならば、神さまと話すことができるのだという世の神秘が、あたたかみある熊本方言とともにつづられてゆく。
『苦海浄土』で知られる石牟礼道子さんが、もともと福音館書店の児童文学雑誌に連載した作品。このたび河出書房新社より文庫として刊行されました。
石牟礼さんがふるさと水俣の美しい自然と心よき人々に囲まれた幼時の記憶から綴った『椿の海の記』と対をなす傑作です。
2026.1.12
「台湾有事」は抑止できるか
著者:松田康博(編)・福田円(編)・河上康博(編) 出版社:勁草書房
ブックフェア「台湾を知ろう!」の1冊
台湾に対する武力行使を放棄しない中国・習近平政権。台湾海峡で本当に戦争は起こるのか? そもそも台湾はなぜ重要なのか? 中国・台湾の軍事作戦と国際法上の課題とは? そしてウクライナ戦争からどんな教訓を引き出せるのか? 台湾の国防研究者も参加し、各分野の第一人者と自衛隊元幹部のコラボレーションで徹底分析。台湾が侵攻されないための条件を明らかにして、日本が「やるべきこと」を導き出す。
2026.1.10
歩道橋の魔術師
著者:呉明益 訳:天野健太郎 出版社:河出書房新社
ブックフェア「台湾を知ろう!」の1冊
1980年前後の台北・中華商場を舞台に、少年少女が繰り広げる不思議な物語。踊り出す黒い紙の小人、女子トイレの九十九階のエレベーターボタン、死にゆく小鳥に起きた出来事、若者たちの恋…。ジャンプブーツを履いた魔術師がさまざまな奇蹟を生み出す。
中華商場は、当時台北に実在した商業施設。現実と幻想、過去と未来が溶けあう、どこか懐かしい極上の物語です。現代台湾を代表する作家の連作短篇。
2026.1.8
日本人が知らない台湾有事
著者:小川和久 出版社:文春新書
ブックフェア「台湾を知ろう!」の1冊
中国は本当に台湾に攻め込むのか?メディアを賑わせる「台湾侵攻シナリオ」を名物軍事アナリストが一刀両断、数々の疑問に答える!
「今後6年以内に中国が台湾に侵攻する可能性がある」
2021年、米インド太平洋軍司令官(当時)のフィリップ・デービッドソンによる発言を契機に、中国による「台湾侵攻」への警戒感が世界的に高まっている。日本でも2023年7月、民間のシンクタンクが台湾有事を想定した机上演習を実施し、国会議員や元政府高官らが参加。今にも中国が台湾に攻め込むかのごとく、議論が進められているのだ。
こうした風潮に異議を唱えるのが、軍事アナリストの小川和久氏だ。小川氏は「日本国内における台湾有事の議論は多くが的外れなもの」だと指摘し、中国の軍事力を正しく把握したうえで議論を進めるべきだとする。
「台湾有事は2027年までに起きるのですか?」
「中国軍が武力行使するのはどんな場合?」
「中国はなぜ軍拡を進めているの?」
本書では「台湾有事」を巡る数々の疑問に、軍事アナリスト・小川和久氏がQ&A方式で分かりやすく解答。中国の人民解放軍の〝戦争力〟を解剖したうえで、今後の日本の安全保障戦略についても考える。
2026.1.6
日本人のための台湾学入門
著者:康凱爾 出版社:平凡社
ブックフェア「台湾を知ろう」の1冊
台湾在住の日本人である筆者が、歴史上内部に複雑な多様性を抱えざるを得なかった「台湾」という概念がどう作られてきたのかを描いた新書。
台湾は近年、コロナ対策などで「アジアの優等生」として語られがちですが、本当にそれだけが台湾の姿なのでしょうか。「台湾」についての語りと記憶の交差点から見えてくるのは、これまで見過ごされてきた多層的な台湾の現在地。そしてさまざまな記憶を共有する存在として、日本人はいま「家族」=台湾を知る必要がある──。知っているようで知らない「隣人」の姿を現地在住14年の日本人研究者が描き出します。
2026.1.4
ウマと話すための7つのひみつ
著者:河田桟 出版社:偕成社
「動物と話してみたい」そんな子どもたちの願いにこたえる「馬語」の入門書。馬とコミュニケーションをとるための秘密が書かれた絵本です。
日本のはしっこ、与那国島で馬を相棒に暮らす著者が、馬の世界に入りこんで発見した7つの秘密を子どもたちに伝えます。
そこには生き物や自然と向かい合うための豊かなヒントがあります。
馬と話すことができれば、きっとこの世界の美しさが新たに見えてくるでしょう。
2025.12.27
南洋標本館
著者:葉山博子 出版社:早川書房
ブックフェア「台湾を知ろう」の1冊
僕らで南洋植物専門の標本館を作らないか?――日本統治下の台湾。漱石を読み、端正な日本語を話す陳は、台湾生まれの日本人・琴司と共に植物学者を志した。だが養父母の期待を背負った陳は、意思とは裏腹に医学の道へ。琴司は台北帝大に進み、帝国委任統治領南洋群島への採集旅行に出掛けた。一方、自らの道に行くと決めた陳は、陸軍属の技師としてニューギニア探検へと向かう。波瀾の運命を生きる台湾人青年の大ロマン
2025.12.25
サラブレッドに導かれて ー内藤律子写真集ー
著者:内藤律子 出版社:羅針舎
サラブレッドをテーマに50年以上のキャリアを持つ写真家、内藤律子の集大成を示す写真集。
巻頭では、これまであまり触れられることのなかった、著者の写真家修行時代の逸話や、海外での撮影エピソードが披露される。続く本文では、著者が心を寄せてきた馬たちとの出会いを振り返り、現在の撮影スタイルがいかに形成されてきたかを、約110点の作品を通して紹介していく。1989年には、フランスでの個展や『神威の星』出版などの幅広い制作活動が認められ、女性として初めてJRA賞馬事文化賞を受賞。本書は、馬から落ちても、蹴られても、下敷きになって背骨を圧迫骨折しても、変わることのなかったサラブレッドへの想いと、競走馬の聖地・北海道浦川地区への感謝の念を、馬を愛する全ての読者と分かち合うために編まれた写真集である。
2025.12.22
100にんのサンタクロース
著者:谷口智則(文・絵) 出版社:文溪堂
プレゼントをくばるだけじゃ終らない!
クリスマスはサンタさんにとっても特別な日。なぜかって?それはプレゼントを配り終わったあと,ヒミツの楽しみがあるから!――あるところに,100人のサンタクロースが住むまちがありました。サンタさんは100人みんなで協力してクリスマスの準備をします。そして,みんなにプレゼントを配り終わったあとは…?
2025.12.20