この身体で生きていく
著者:編者 共同通信社 出版社:亜紀書房
生きる〈手触り〉を取り戻すために。
からだの声と向き合い、人生を変えた人びとの姿に、いまを生き抜くヒントを探る50編。
共同通信の記者たちによる連載企画「からだ⇄世界」の書籍化。
スマホから得られる知識でわかったつもりになり、いつのまにか誰かの「正解」を生きようとしてしまう時代に自分の身体を手がかりに、進むべき道を見出した人びと。
彼ら/彼女らの「人生の物語」に耳を傾け、ままならない身体を引き受けて歩む姿を描くことで、生きることの深みと喜びとを伝えるノンフィクション!
2026.9.28
運動しても痩せないのはなぜか
著者:ハーマン・ポンツァー 訳:小巻靖子 出版社:草思社
ダイエットに関して長年にわたり論争となってきた問題に、ついに決定的な証拠がもたらされました。それは「運動しても1日の総消費カロリーは増えていなかった」ということ。つまり、運動したところで、それだけで痩せることはなく、痩せるためには摂取カロリーを減らすしかない、ということです。しかしだからといって「運動なんか意味がない」という結論には決してなりません。逆に、運動しても1日の消費カロリーが増えないからこそ、運動は必ずしなければならない、と結論づけられるのです。どういうことでしょう?
著者の発見を裏返せば「運動しなくても1日の消費カロリーは減らない」ということでもあります。となると、運動に使われずに余ったカロリーは、別のことに使われているはず。じつは、これが体に良くないことを引き起こすのです。余ったカロリーの使い道として、もっとも身体に悪いと思われるのが「炎症」。本来であれば必要のないところで、余ったカロリーは炎症を起こします。これがアレルギーや関節炎、動脈疾患のほか、さまざまな「現代病」の原因となっているのです。運動すれば、これらのムダな炎症が抑えられ、健康が維持される、というわけです。
自分自身の体に興味のあるすべての人が、ぜひ読んでみるべき一冊といえるでしょう。
10月のブックフェア「ままならない体と向き合う」より
2026.9.26
急に具合が悪くなる
著者:宮野真生子 磯野真穂 出版社:晶文社
哲学者と人類学者の間で交わされる「病」をめぐる言葉の全力投球。
共に人生の軌跡を刻んで生きることへの覚悟とは。
信頼と約束とそして勇気の物語。
もし、あなたが重病に罹り、残り僅かの命と言われたら、どのように死と向き合い、人生を歩みますか? もし、あなたが死に向き合う人と出会ったら、あなたはその人と何を語り、どんな関係を築きますか?
がんの転移を経験しながら生き抜く哲学者と、臨床現場の調査を積み重ねた人類学者が、死と生、別れと出会い、そして出会いを新たな始まりに変えることを巡り、20年の学問キャリアと互いの人生を賭けて交わした20通の往復書簡。
本書をもとにした濱口竜介監督の映画も、カンヌ国際映画祭で最優秀女優賞を受賞する等、大きな話題となりました。
10月のブックフェア「ままならない体と向き合う」より
2026.9.23
よっちぼっち 家族四人の四つの人生
著者:齋藤陽道 出版社:暮しの手帖社
手話をことばとして生きる写真家・齋藤陽道さんが雑誌『暮しの手帖』に4年間にわたって連載した人気コラムの書籍化。
齋藤さんは「聞こえる家族」に生まれたろう者、妻のまなみさんは「ろう家族」に生まれたろう者。そんなふたりの間には、聞こえる子どもがふたり――。
一家は、それぞれの違いを尊重しながら、手話で、表情で、体温で、互いの思いを伝え合います。本書は、美しい写真とともに紡がれた育児記であり、手話でかかわり合うからこそもたらされた気づきと喜びの記録です。
10月のブックフェア「ままならない体と向き合う」より
2026.9.21
ボイコットする身体
著者:スザンヌ・オサリバン 訳:高橋洋 出版社:紀伊國屋書店
〈心身症〉というわかりにくい病態に悩まされる患者、およびその周辺で混乱する人々の実態を、英国の神経科医が丹念に描き出した傑作ノンフィクション。
心身症とは、心のストレスや葛藤が、痛みや麻痺など現実の身体症状として表れる病態。病院で検査をしても数値は正常で、症状の原因を特定することが困難なケースが多い。
真面目な読書家のポーリンが起こした痙攣発作や足の痛み、ネット世代のマシューが検索して確信していた自身の多発性硬化症、指が丸まって手が開かなくなった法律家志望の学生シャヒナが疑った局所性ジストニア、視力を完全に失った主婦イヴォンヌ、……これらの症状はすべて心身症だった。
10月のブックフェア「ままならない体と向き合う」より
2026.9.19
文化財に泊まる。
著者:偏愛はな子 出版社:エクスナレッジ
ブックフェア「この秋は“テーマのある旅”を!」の1冊
名建築のなかには宿泊できる・食事ができる文化財の建物もあることをご存じですか?由緒正しき温泉宿に日本建築史に残るクラシックホテル、昭和レトロな元商店から明治期の学生を支えた元下宿屋の旅館まで、その個性はじつに豊かで訪れる人の好奇心を満たしてくれます。
本書は、国指定・重要文化財を含むそんな宿泊施設をご紹介。どの施設も一度訪れたら忘れがたく、何度訪れても新たな発見があるのが魅力です。
文化財のまちあるきマップと知っていると建築がぐんと面白くなる「文化財の宿を読み解くキーワード」も必見!
唯一無二の宿体験で、ワンランク上の旅をお楽しみください。
2026.9.17
深夜航路
著者:清水浩史 出版社:草思社
ブックフェア「この秋は“テーマのある旅”を!」の1冊
午前0時を過ぎると、旅がはじまる。真っ暗な海、星が瞬く空、静まり返った船内。深夜の船のデッキに立つと、遠ざかる陸の灯が、ゆっくりと流れていく。船が沖へ向かうと、一切が暗闇に包まれ、やがて何も見えなくなる。だからこそ、何かが見えてくるのではないか。(はじめにより)
日本国内の深夜の船便(午前0時~3時発)全14航路を旅した著者が、深夜航海の魅力と、下船後の旅のつづきの愉しみを綴る、深夜航路ガイド。2025年秋に深夜便廃止となった桜島フェリーの最終乗船記も収録。
2026.9.14
体の居場所をつくる
著者:伊藤亜紗 出版社:朝日出版社
摂食障害、ナルコレプシー、ALSなどの障害や病気の当事者。診断がつかない人、治療の道がない人、人種的マイノリティ――本書に登場する11名は、体に「問題」を抱えながら、日々の工夫の積み重ねで、どのように「体の居場所」をつくってきたのか。一人ひとりから出てくる言葉は、ときに文学のようにファンタジックで、そこには、その人の何十年分かの人生が結晶のように凝縮されています。それに耳をかたむけ、ともに悩み、混沌とした状況を進む手すりとなるような言葉を探すために伴走する――そうして綴られた、生きるための究極の工夫とは?
10月のブックフェア「ままならない体と向き合う」より
2026.9.12
リハビリの夜
著者:熊谷晋一郎 出版社:医学書院
現役の小児科医にして脳性まひ当事者である著者は、あるとき「健常な動き」を目指すリハビリを諦めた。そして、《他者》や《モノ》との身体接触をたよりに「官能的」にみずからの運動を立ち上げてきた。リハビリキャンプでの過酷で耽美な体験、初めて電動車いすに乗ったときのめくるめく感覚などを全身全霊で語り尽くし、リハビリテーションを根底から定義しなおす驚愕の書。
10月のブックフェア「ままならない体と向き合う」より
2026.9.10
別冊暮しの手帖 あの人の旅案内
著者: 出版社:暮しの手帖社
ガイドブック通りの観光地巡りもいいけれど、本当に心が動くのは、自分の「好き!」に素直になる旅。本書は、旅好きたちの頭のなかをちょっぴりのぞかせてもらい、そのこだわりや工夫をぎゅっと集めた1冊です。あの人のユニークな旅の楽しみ方から、あなただけの新しいヒントを探してみませんか?
「いつか、どこかへ行きたいな」-そう思ったとき、あなたの背中をそっと押してくれる、ひらめきに満ちた旅のアイデア帖です。
ブックフェア「この秋は“テーマのある旅”を!」の1冊
2026.9.7
まちかど給水塔図鑑
著者:高水湧基 出版社:創元社
ブックフェア「この秋は“テーマのある旅”を!」の1冊。マニアック度が高めですが…!
給水塔とは・・・高い位置の水槽にポンプで水を汲み上げて貯めておき、重力を利用して安定した水圧と水量で給水するための構造物。
水を供給する目的で建てられた塔状の構造物を総称して「給水塔」として紹介。
20年にわたり全国の給水塔を鑑賞してきた著者の深く熱い視線を感じるコラムや知識編も読みごたえたっぷり。
いつもの街の見え方が変わる、知らない土地を訪ねたくなる一冊。
2026.9.3
戦争犯罪と闘う 国際刑事裁判所は屈しない
著者:赤根智子 出版社:文春新書
ロシアによるウクライナ侵攻とイスラエルによるパレスチナへの非人道的な攻撃。目まぐるしく国際情勢が変化するなか、この二つの戦争に向き合い、プーチンとネタニヤフに逮捕状を出した国際刑事裁判所(ICC)。日本人として初めてそのトップに就任した著者は、ほどなくしてプーチンから逆指名手配を受け、さらに今年8月、トランプ政権によってアメリカの制裁対象にも加えられた。世界規模の戦争犯罪に向き合ってきた国際刑事裁判所はいま、存続の危機にある。
第二次世界大戦後にホロコーストに向き合ったニュルンベルク裁判、日本の戦争責任を裁いた東京裁判。二つの軍事法廷裁判にルーツをもち、国際平和秩序を守ろうと奮闘してきた国際刑事裁判所とはいかなる機関か。二つの戦争という異例の事態にどう向き合ったのか。「世界の警察」アメリカが過去のものになりつつある戦後国際秩序の行方とは――。
「世界で起きていることが日本では起きないとは限らない」。「力による支配」がむき出しになりつつある今こそ「法の支配」による安全保障が必要だ。
「ウクライナ戦争の勃発で完全に覚醒した」と語る赤根さんが、その奮闘を通じて未来への責任を語りかける。
2026.8.31