詩集 見えないものを探すために ぼくらは生まれた
著者:若松英輔 出版社:亜紀書房
伝えたいのは
思っているけど
言えないこと
生きていくために言葉が必要だった。そんな思いを持つすべての人に捧げられる詩集。
ほんとうに大切なことは言葉になどならないと書く著者が、誠実に言葉と向き合い、言葉を希求し続けた歩みが刻まれています。
若松英輔(わかまつ・えいすけ)
批評家・随筆家。「三田文学」編集長、読売新聞読書委員、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授(2022年3月まで)などを歴任。
2025.9.27
修理する権利 使いつづける自由へ
著者:アーロン・パーザナウスキー 訳:西村伸泰 出版社: 青土社
なぜスマホのバッテリーはすぐ交換できないのか?
短い保証期間、高額な修理費用、交換のできない部品……わたしたちは修理することからますます遠ざけられている。「壊れたら買い替え」へ消費者を駆り立てる資本主義社会には、修理を阻む巧妙なカラクリが隠されていた。そうしたなか、いま米国やヨーロッパで「修理する権利」運動が巻き起こっている。その現状を縦横無尽に分析し、この権利を取り戻す方法を読者に紹介する本邦初の本格的入門書。
2025.9.25
ファッションの仕事で世界を変える
著者:白木夏子 出版社:筑摩書房
トークイベントに合わせたエシカルファッション特集の1冊です。
キラキラと輝く、自分の「好き」をあきらめたくない。ビジネスの世界で大活躍したい。だけど貧困や社会問題などに取り組みたい!そんな若者の欲張りな夢をすべて叶える方法を、「エシカル・ビジネス」を切り拓いた起業家が伝授。その心得から、企業までの具体的な計画作りまで、豊富なワークとともに指導します。
白木夏子(しらき・なつこ)
2009年に、人、社会、自然環境に配慮した日本で初めてのエシカル・ジュエリーブランドHASUNAを設立。各種ブランド、起業家のプロデュースにも携わっている。日経ウーマンオブザイヤー2011受賞、2011年世界経済フォーラム(ダボス会議)が選ぶ日本の若手リーダー30人に選出、2014年Forbes誌「未来を創る日本の女性10人」、2017年にはCNN「リーディング・ウーマン・ジャパン」に選出される。
2025.9.22
ファッション革命 めざせ! 持続可能なスタイル
著者:レイナ・デライル 日本語版監修:天沢逸里 訳:佐藤淑子 出版社:玉川大学出版部
ファッション産業は、SDGsの17の目標すべてにかかわる多くの問題をかかえています。本書は、安く早くつくられるファストファッションを中心にとりあげ、環境汚染、地球温暖化、労働環境、動物虐待、さらにはジェンダーステレオタイプやルッキズムなど、幅広い問題について解説した意欲作です。読者は、毎日なにを着るか決めるその選択が世界の問題につながっていることを理解し、自分にも世界を動かす力があるのだと知ることができます。そして、そのための日常的で具体的なアイデアがたくさんあげられています。
登場するブランドや団体はおもに欧米のものですが、読者が興味をもったことをオンラインで調べられるよう、すべて英字表記をつけられています(最近は翻訳ツールも進化し、ブラウザによっては表示したページのおおまかな日本語訳を見ることもできるようになっています)。また、本書は、問題解決のために行動することは、おしゃれをあきらめることではないと教えてくれます。これからを生きる読者がおしゃれをするための道しるべとなる1冊です。
2025.9.20
世界マスコットキャラ大図鑑
著者:大塚聰 出版社:パブリブ
その国でしか知られていないご当地キャラ達を紹介!
87カ国 460キャラ
カワイイのもいればキモいのもいる!
PRやキャンペーンのためにデザイナーが試行錯誤するも、お国柄が出てしまっている!
いかにもアメリカンな出で立ちなものもあれば、どことなく日本のアニメの影響を受けたようなもの、あまりにも下手くそで不気味なもの、有名キャラのパクリにしか見えないものなど、千差万別! ガソリンスタンドの計量器・投票箱・梅毒・奥歯・ウニ等、マスコット化するにはかなり無理があるものも!
2025.9.13
この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた
著者:ルイス・ダートネル 訳:東郷えりか 出版社:河出書房新社
もし現代文明が滅びたとしたらどうするか。あなたはどのように生き残るのか。穀物の栽培や紡績、製鉄、発電、印刷、電気通信など、人類が蓄積してきた膨大な知識をどのように再構築し、文明を再建するのか。日々の生活を取り巻く様々な科学技術と、その発達の歴史について知り、「科学とは何か?」を考える、世界15か国で刊行された大ベストセラーです。
2025.9.11
戦争の思想史
著者:中山元 出版社:平凡社
人類の歴史は戦争の歴史でもある。
戦争はいかに進化したのか、なぜ人類は平和を手に入れられないのか――
人類誕生とともに始まった戦争は、ウクライナ、パレスチナ紛争に揺れる現在まで、私たちを脅かし続けている。古代から現代にいたるまでの様々な思想家や哲学者たちは戦争というものをどのように把握してきたのか。
アウグスティヌス、マキアヴェッリ、カント、ヘーゲル、ナポレオン、クラウゼヴィッツ、レーニン、ヒトラー、アレント、ジジェク…… 戦争という営みを支えた思想の歴史と、そうした戦争を批判し、平和を目指した思想の歴史をたどる。
2025.9.8
ぼくは ふね
著者:五味太郎 出版社:福音館書店
ちいさな船が海を進んでいくと、嵐がやってきて海は大荒れに。ヘリコプターに吊り上げられて助けられますが、地面の上に置かれてしまい、もうどこへも行けない、おしまいだとなげきます。そこへ他の船がやってきて「その気になれば、どこだって進めるものだよ」と声をかけます。ちいさな船はその気になって、山や畑、街の中をどんどん進みます。
絵本作家として50年、五味太郎さんの集大成作品です。
【第30回日本絵本賞 大賞受賞作品】
2025.9.6
一九四五年に生まれて 池澤夏樹 語る自伝
著者:池澤夏樹 聞き手・文:尾崎真理子 出版社:岩波書店
昭和20年7月7日、池澤夏樹は生を受けた。「敗戦後の年月がそのまま人生の時間」である作家。その80年の歩みから、「戦後」がありありと立ち上がる。父・福永武彦との数奇な運命、デビュー以前の長い猶予、ギリシャ、オセアニア、アジアの島々への旅、そして未来のために私たちがやるべきことは-。
「文学も平和も消耗品なんですよ。だから絶えず新しく作り続けなければいけない。」
気鋭の文芸評論家、尾崎真理子の巧みなインタビューに応えながら、池澤夏樹がいま初めて、人生と創作のすべてを明かす。
2025.9.4
だれが戦争の後片付けをするのか —戦争後の法と正義
著者:越智萌 出版社:筑摩書房
ロシアとウクライナの和平は実現するのか。実現したとして、真の平和をもたらすにはどうしたらいいのか。
新進の法学者が、戦争のあと、または途中から適用される国際法の規範や制度を紹介する1冊。
戦争犯罪の捜査・裁判、兵士の帰還、被害者への賠償といった戦後処理の実践を解説する、類のない「終戦後」論である。
戦争にかかわる法は、人類の歴史のなかで着実につくられてきた。21世紀に入り、「戦争後の法(ユス・ポスト・ベルム)」と呼ばれる概念が注目されている。
著者は、「研究の過程で戦争犯罪の悲しみに浸った私が感じた、一瞬の安らぎと希望を共有するために、「戦争の後片付け」の発展と未来について、できるだけ実際の事例を紹介しながら記述したい」と語る。
2025.9.1
マンションポエム東京論
著者:大山顕 出版社:本の雑誌社
「ときめきをシェアする摩天楼」「女神は輝きの頂点に舞い降りる」
こうしたマンションの広告でよく見られる、物件のスペックをわかりやすく伝えるのではなく、雰囲気を詩的につづることを優先した文言を、著者は「マンションポエム」と呼ぶ。
本書は、マンションポエムを通して、私たちが都市、特に東京をどのように見ているかを浮かび上がらせる都市論的エッセイだ。
空と緑の都市に咲くあだ花か、アーバンライフの幻想か。マンション広告のコピーに託された〈東京〉の正体を読む。
2025.8.30
夜、寝る前に読みたい宇宙の話
著者:野田祥代 出版社:草思社
私たち人間は、ついささいなことで落ち込んだり、イライラしたり、目の前の現実に一喜一憂しがちです。とりわけ今は心理的にもストレスが大きい時代で、心穏やかに日常を送ることが難しくなっているという方が増えているのではないでしょうか。
そこで本書は、夜、寝る前のほんの一時、遠い宇宙に思いをはせ、「宇宙からの視点」で、地球や私たち人間を俯瞰することで、煮詰まってしまった心を解きほぐし、静かに「自分」を見つめ直すことを促すものです。
何か困った問題が起こったら、一呼吸して「心だけ宇宙に緊急避難」する。大きさも時間の流れも“マックス”の宇宙からの視点で見てみれば、1人ひとりの人間の存在が、いかにかけがえがなく、はかなく、そして愛すべきものだということがわかるはずです。
読みながら、宇宙誕生から現在にいたるまでの悠遠な時の流れを体感することで、私たちが本当に大切にすべき「あたりまえの日常」に気付かされることでしょう。
この本は、宇宙について興味はあるけれど、科学知識があまりないという方も気楽に読めるよう、全編にわたり平易な表現が使われています。
もれなく宇宙の基礎知識も身に付きます!
2025.8.28