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桑原甲子雄が撮影した留守家族たち、出征してその写真を受け取った横丁の兵士たちの戦中・戦後を記録した、1975年刊行の傑作ルポが、戦後80年を機に復刊。
戦時中に桑原甲子雄により撮られた「氏名不詳」の人びとを探して、著者は、戦後30年を前にした東京・台東区の下町で、ひたすら露地を歩き、家の戸をたたいた。そうして探し当てた彼らが語ったのは、戦場と横丁、それぞれに降りかかった「戦争」だった。写真の留守家族たち、一銭五厘のハガキで出征した横丁の兵士たちの戦中・戦後を記録したルポルタージュの名著。