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天使も踏むを畏れるところ(上・下)

2025.6.29

敗戦から15年、皇居「新宮殿」造営という世紀の難事業に挑む建築家・村井俊輔。彼を支える者、反目する者、立ちはだかる壁……。戦前から戦中、戦後、高度成長期の日本社会と皇室の変遷を辿り、理想の建築をめぐる息詰まる人間ドラマを描き尽くす、かつてない密度とスケールの大長篇。

 

終戦間近、皇居の宮殿が空襲で焼失していたことをご存知でしょうか。また正月の一般参賀でお馴染みの新宮殿の造営は昭和天皇の了解がなかなか得られず、敗戦から十五年後に始まり、設計者は宮内庁と対立して辞任したものの、当初の計画通りに彼の設計で完成していたことを。
「天使も踏むを畏れるところ」はこの史実を描いた長篇小説です。チーフアーキテクトを依嘱された建築家の村井、心ならずも宮内庁へ出向した建設技官の杉浦、造営責任者となる官僚の牧野ら関係者はどんな経験や考えの持ち主だったか。天皇の侍従や美智子妃のよき理解者となる女性園芸家らを通して皇室と皇居内の暮らしも克明に綴られ、世紀の一大プロジェクトの全体像を見事に捉えています。