ブックトーク「アガサ・クリスティーとその時代」を、書評家の東えりかさんをお迎えして、4月17日(金)に開催しました。
クリスティ―作品からまず紹介されたのは『そして誰もいなくなった』。絶海の孤島という“密室”で、童謡の詩になぞらえて事件が起こる、いわゆる“見立て殺人”の代表的な作品です。この作品にオマージュを捧げるミステリーとして、横溝正史の『獄門島』や綾辻行人の『十角館の殺人』など、数々の作品が書かれています。
そして、やはりポアロもミス・マープルも出てこないノンシリーズより『終りなき夜に生れつく』。職を転々とするイギリス人青年がアメリカ人の大富豪の娘と恋に落ち、“呪われた地”に住み始めるという、オカルト風のロマンス小説として展開していき、半分以上過ぎてから謎の死が訪れてクリスティーらしいミステリーとなる本作。すべて謎が解けてから、なぜ前半が長かったのか腑に落ちる作りとなっています。
クリスティーの人物像がわかる書籍として紹介されたのは『アガサ・クリスティー自伝』と『アガサ・クリスティー とらえどころのないミステリの女王』。上流家庭で育った幼少期、最初の結婚と失踪事件、2度目の結婚と、クリスティーの起伏に富んだ人生をたどりました。
また、クリスティーが大英帝国の繁栄と衰退という時代状況を敏感にくみ取りながら作品を書いていると分析している『アガサ・クリスティーの大英帝国』も紹介されました。
このほか、日本のクリスティーと言われた仁木悦子の『猫は知っていた』、夏樹静子の『そして誰かいなくなった』などと話題は多岐に及び、トーク終了後には参加した皆様に様々な本を手に取っていただきました!